寂しさについて

寂しさはこの世で一番厄介な病だと思う。

生身の人間一人では絶対に解決できない問題だからかもしれない。


幸いにも自分は寂しさには耐えられるタイプの人間だったため、寂しさでしんどい思いをすることは少ない。
それにはきっと二つの理由がある。

子供のころ、僕は家族に愛されていたと同時に孤独だった。
家族は自分を愛してくれていた。それを自分は疑ってはいない。
家族は僕の居場所であれた。

一方で、僕は中高生のころ、人と深く関わるということを避けてきた。
中学の時の嫌な経験や兄弟との確執が原因で、心を閉じ込め、他者と一線を引いた生活を送っていた。

僕は愛されていたけれど、一人だった。

だからかもしれない。
一人でいることが寂しいという感覚は自分にはあまりない。
ずっとそうだったから。

 

「寂しくなってしまう」と相談されて、そうかと思う。
そう感じてしまう人は2タイプいるだろう。

一つは愛に囲まれて生きてきた人たち。
もう一つは、愛されて来なかった人たち。

前者は問題はない。でも、後者はなかなか大変だ。
彼ら彼女らは、心のどこかで自分は愛されるような人間ではないと自分自身で思い込んでいる。

それゆえに他人の愛情を信じられなかったりする。

そこに広がるのは底のない沼のような…与えても与えても塞がらない穴がひたすらに広がっているような…そんな感じがしてくる。

自分を愛せない子供を育ててしまった、親も教育も社会も全て罪深い。