真理を解き明かさなくてはいられない人たち

真理のことを考えるのは好きだ。

 

この世界が、この社会がこれからどうなっていくのかが気になって、夜に一人散歩しながら物思いにふけったりする。

思えば昔から真理が好きだった。

 

小学校の頃から、理科が好きで、実験の授業がすごい楽しかった。

電磁石でコインを永遠に回り続けさせることに成功してすごく嬉しかった。

目が悪くなりかけていたけれど、夜空を見上げて星座を覚えるのが好きだった。夏の星座や冬の星座、あの星が一等星でこの星が一等星ってことまで真剣に覚えていた。

なんとなくカシオペア座がお気に入りだった。

 

数学が好きだった。次から次へと出て繰る公式や考え方にワクワクした。

解の公式を知った時は、もうなんだか無敵になった気がした。

数学的帰納法はバシッて決まるととてもスッキリした。

ルートが登場したり、sin,cosが登場したり、虚数が登場したり、その度に世界が広がっていく気がして楽しかった。

 

大学に入って、哲学が好きになった。

まだ巨人たちの思想を全て洗えているわけではないけれど、彼らもきっと今の僕と同じように真理を解き明かしたくてたまらなかった変わり者なんだって気がして、とても愉快だった。

数学や物理を探求したり、神の存在を科学的に証明しようとしたり、ミクロの世界ないし宇宙の構造に心奪われたり。

人が生きる根源的意味を問い直したり、信仰とは何かを突き詰めたり、社会のあるべき姿を考えたり。

 

ニュートンも、デカルトも、スピノザも…

キルケゴールも、カントも、サルトルも…

 

 

きっと生きるのが不器用だったんだろうなって思う。

 

でも、真理を解き明かさいといてもたってもいられないような、そんな人たちだったんじゃないかと。

勝手に想像している。

 

彼らには程遠いけれど、彼らと同じ世界が見えるように学びを続けたいと思う。