良い本について

本屋に立ち寄るのが好きだ。

 

授業や実習が早く終わって時間を持て余した時、

なんだか疲れてしまって勉強もタスクもやる気がおきない時、

本好きな友達とふらふらと新宿や千葉を歩いている時、

 

吸い込まれるように書店に入っては、ゆっくり物色して、結局何も買わずに帰ったりする。

時には衝動的に数冊買ってみたりする。

 

本屋の匂いも好きだ。

紙独特のあの本の香り、そこにいろんな人の知識と経験が詰まっていると思うと少し愛おしくなる。

 

 

良い本ってなんだろう。

僕はつい積読してしまうたちだから、買ったものの最初から最後まで読み切れていないものはたくさんある。

常に数冊の本を並行して読む乱読タイプってのもある。

でも、数冊はやっぱりページを繰る手が止まらないものはあった。

読む前と読んだ後では自分の世界の見え方が変わるような、そんな本は、何冊かあった。

 

高校生の時に読んだ「人間失格」はそうだと思う。

自意識過剰なあの年頃には、この本は、まるで直接語りかけてくるかのように、心に響いた。

 

3年前に読んだ「ノルウェイの森」もそうだ。

悩んでいるのに悩みを言葉にできないことにしんどさを抱えていたあの時期、この本に出会って、僕が言葉にしたかったことの多くが綺麗に描かれていて、こんな文章が書きたいと心打たれた。

 

良い本とはなんだろう。

ただただ面白い本では、それはエンターテイメントとなんら変わらない。

きっとそれは少なからず、読んだ人の人生に影響を及ぼすものなんだと思う。

そしてそんな存在に出会えるのは、やはり若い時期が多い。

この多感な時期に、もっと心に衝撃を受けたいと思う。